DIYがブームになっている昨今では、業者に頼むと高いので自分でテレビアンテナを設置しようと考える方もいるかと思います。
そこで自分でテレビアンテナを設置する際の流れや事前に確認しておきたいことをまとめました。
なお自分でテレビアンテナを取り付けるといっても取り付ける家の形状はそれぞれ違いますし、視聴環境も異なります。そのため、この記事をご覧になっている方によって取り付け方法や必要なアンテナや器具は異なりますので正解もそれぞれ異なってきます。また当サイトではアンテナ工事のDIYはおすすめしていません。
DIYは自己責任というのを納得した上でご覧ください。
目次
テレビアンテナの設置場所は?
テレビアンテナの設置は屋根の上が一般的ですが、他にもベランダや壁面などに取り付けることもできます。
設置場所のメリット・デメリットをご紹介しますのであなたならどこにアンテナを設置するかイメージしてみてください。
屋根上へのアンテナ設置
- メリット:電波が最も拾いやすい・普通の形状の屋根なら問題なく設置できる・最も容易にアンテナの角度調整ができる
- デメリット:作業の際に屋根から落ちて怪我をする可能性がある・一人で作業をするのは難易度が高い・屋根を踏み抜いたりする可能性がある
ベランダへのアンテナ設置
- メリット:比較的簡単に取り付け出来る
- デメリット:建物の形状によっては角度調整ができずにテレビの電波を拾うことができない・アンテナを設置したことにより今まで利用していたベランダスペースが利用できなくなる
壁面へのアンテナ設置
- メリット:デザインアンテナを設置すれば外観を損なわない・取り付けが比較的簡単
- デメリット:テレビの視聴に必要な電波レベルに達しない可能性がある
屋根裏へのアンテナ設置
- メリット:価格が安いUHFアンテナ(八木式アンテナ)でも外観を損なうことなくアンテナ設置が出来る
- デメリット:電波が非常に取りづらい。建物内部の環境に左右されやすく取り付け不可なケースも多い。正確な電波測定を行える人でないと設置はまず不可能。
電波強度の測定
取り付け場所が決まったら、次は設置場所の電波強度を把握しましょう。電波強度の事前確認は、テレビアンテナを設置しようとしている場所がテレビの視聴が出来るレベルの電波を拾うことが出来るかの確認ですが、電波強度によって必要になってくるアンテナの種類が異なります。その為用意するアンテナ本体を選ぶ前に必要な作業です。またブースターにも関わってきます。
電波の強度の測定はアンテナレベルチェッカーを利用して測定するのが一般的です。販売されている商品に比べて精度が落ちますが最近では受信レベルの測定が出来るスマホアプリも用意されています。
アプリや安価なレベルチェッカーはあくまでも参考程度
地デジと衛星放送によって利用するアンテナレベルチェッカーは異なるため、視聴したい放送によってレベルチェッカーの種類を使い分けましょう。
尚、市販の安価なレベルチェッカーやスマホで測定できる電波強度・角度はあくまで参考程度の物です。障害物が無く見晴らしのいい屋根上であれば問題ありませんが、壁面やベランダ、屋根裏などでのデリケートな電波測定には不向きです。
取り付けるアンテナを決める
アンテナにも様々な種類があり、地デジがみたい場合はUHFアンテナ、衛星放送がみたい場合はBS/CSアンテナ(2018年12月から始まる4K8K放送用BS/CSアンテナも)と視聴環境によって用意するアンテナは異なります。
UHFアンテナにも安価で入手できる八木式アンテナ、スタイリッシュなデザインだけど価格が高いデザインアンテナとあります。
さらにUHFアンテナの八木式アンテナの中にも異なる受信強度に対応した様々なアンテナが用意されていて、受信強度が強いエリアで利用する場合は素子数が少ないアンテナ、受信強度が弱いエリア用の素子数が多いアンテナとあります。
「受信強度は強いと思うけれど不安だから素子数が多いアンテナを用意しておこう」などと考えるかもしれませんが、受信強度が強いエリアで素子数が多いアンテナを利用すると角度の調整がシビアになるなどのデメリットもありますので利用する受信強度にあったテレビアンテナを用意しなくてはなりません。
各アンテナメーカーのホームページに受信強度とアンテナの選び方などが用意されていますが、素人が受信強度にあわせてテレビアンテナを用意するのはなかなか難しいものです。
アンテナ決めの裏技はあるが・・・
あまり声を大きくしては言えませんが、電波測定と用意するアンテナの確認のためにアンテナ工事業者に現地見積もりをしてもらうという方法もあります。工事業者が作成した見積書には実際に工事する際に取り付けるアンテナの型番が記載されていますので、それを通販などで自分で用意してアンテナを取り付けるという寸法です。もちろん実際に依頼する気がないのに業者さんに見積りをとってしまうというものですから、おすすめしているわけではありません。利用してみようかなと思った方は自分の良心とよく相談してから依頼してください。
アンテナの配線や電気回路の確認
屋根上、壁面などアンテナをどこに設置してもアンテナからテレビまで配線を接続しないとテレビは映りません。
またテレビアンテナからテレビまでの配線には
- 混合器:複数台のアンテナを付ける場合には周波数ごとにアンテナケーブルが必要ですが、混合器を設置することにより一本のアンテナケーブルにまとめてくれます。
- ブースター:電波強度を高める機器です。受信感度が強いエリアでは必要ない場合もありますが分配器などを利用すると受信強度が弱まりますのでよっぽどのことがない限りは設置しておくのが無難です。
- 分配器:アンテナからの出力を複数の部屋に配線する場合に必要な機器です。
- 分波器:一本のアンテナケーブルにまとめた複数の周波数の電波を分けて取り出すことが出来る機器です。
等の機器が視聴環境によって必要です。
必要な機器とどのように配線をつないでいくかの確認を事前にしておきましょう。テレビアンテナからテレビまでの配線状況を記した設計図をあらかじめ用意しておけば作業をスムーズに行うことができます。
取り付けに必要な備品の確認
テレビアンテナを自分で取り付ける場合、設置場所にアンテナを固定するために必要な部品も自分で用意しなければなりません。
アンテナメーカーで設置場所毎に必要な備品は販売されていますので、設置場所にあった部品を取り付けに必要な数だけ用意しておきましょう。
アンテナの角度を確認しながらしっかりと固定する
地デジを見るために必要なUHFアンテナを設置する場合で、近隣一体が住宅街のような近くに障害物がない場所なら、屋根の上に登り近隣住宅のアンテナの向きと同じように取り付け、自宅の中から実際のテレビの受信レベルを携帯で報告してもらいながら微調整を繰り返せば電波の安定する角度でテレビアンテナを設置することができます。また前述した受信レベルが測定できるスマホアプリではアンテナの角度を教えてくれる物もありますのでそちらを参考に調整してもいいでしょう。
ただBS/CSアンテナの場合は非常に細かくアンテナの角度を調整する必要があります。ベストな角度に合わせても画面に反映されるまで数分かかり、微調整する、待つ、微調整する、待つを何度も繰り返す必要がありますので、よっぽど忍耐強く調整出来る人でないと設置を途中で諦めてしまうこともありえます。
また近くに山がある場合や高層ビルが立ち並んでいるような環境ですとUHFアンテナでも細かい角度の調整が必要になり、結局アンテナ工事業者に依頼することも考えられます。
その場合前述したアンテナレベルチェッカーの費用は無駄になります。業者によっては持ち込みアンテナの取付は不可などもありますので、用意したテレビアンテナの費用も無駄になる可能性もあります。アンテナについてのノウハウがない場合は最初からアンテナ工事業者に依頼したほうが確実に安上がりです。
また、テレビアンテナは固定が甘いと台風などの災害時は勿論、ちょっとした風や鳥による被害で折れたり落下したりする可能性があります。落下先によっては自宅や駐車場においてあった車の損傷がありますし、近隣住宅の損壊を招いた場合は当然取り付けたあなたが損害を補填しなければなりません。
前述しましたが設置に必要な部品は必要な数だけ確実に取り付けをして、念には念を入れてアンテナの固定を確認してください。
まとめ
アンテナ工事のDIYの流れと確認しておきたいことは以上です。
しつこいようですが、取り付けをする方それぞれによって事前の準備も変わってきます。またせっかく取り付けても何かあった際は自分で責任を取らないといけません。アンテナ工事には屋根から落下して大怪我をしてしまうリスクもあります。慣れている職人さんでも落下事故は実際に起きています。
自宅のテレビアンテナを自分で取り付けようと考えている方の多くは費用を浮かせたいという目的のためかと思いますが、怪我してしまった際の治療費やアンテナ落下などで発生する損害などの費用が発生してしまうことを考えると、個人的には実用性を通り越した趣味の領域で行うものだと思っています。
高いクオリティーで自分でアンテナを取り付けられれば確実に費用を抑えることはできますが、よっぽどDIYに自身がある方以外は始めから業者に依頼するのをおすすめします。